健診にて偶然発見された頭痛をともなわない特発性頭蓋内圧亢進症の1例
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概要
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症例は47歳女性である.健診にてうっ血乳頭を指摘され,眼科よりの紹介で当科を受診した.神経学的診察では,両側うっ血乳頭をみとめるのみであり,頭痛をふくめ自覚的臨床症状もみとめなかった.髄液検査にて髄液圧440mmH2Oと著明な上昇をみとめるも,髄液組成,血液検査,画像検査にて頭蓋内圧亢進を呈する明らかな他疾患をみとめず,特発性頭蓋内圧亢進症と診断した.Acetazolamideによる加療をおこない,髄液圧の改善傾向をみとめ,現時点までに視力低下や視野異常をみとめていない.特発性頭蓋内圧亢進症には頭痛をともなわない症例があることと,本症による失明の危険性から考慮し,神経学的診察における眼底検査の重要性を改めて強調したい.
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日本神経学会 | 論文
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