基礎疾患なく雷鳴頭痛とposterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)を発症し,経過中可逆性の脳血管攣縮をみとめた1例
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概要
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症例は56歳女性である.雷鳴頭痛を主訴に当院へ救急搬送されるも,頭部CT,髄液検査で異常なく帰宅した.しかし数日後,ふたたび雷鳴頭痛が出現し当院へ搬送され,来院時左下肢の痙攣をみとめた.MRIにて両側後頭葉を中心にADC値上昇をともなうT2延長領域をみとめ,posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)と診断した.高血圧や免疫抑制剤の使用歴はなかった.MRAにて両側後大脳動脈を中心に脳血管攣縮をみとめたため,Ca拮抗薬を投与し,約2週間でMRI所見と共にMRA所見も改善し,ほぼ後遺症なく回復した.雷鳴頭痛およびPRESの発症に,脳血管攣縮が強く関与していることが示唆された.
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