左内側後頭頭頂葉病変で発症したpoststroke dementiaの1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
左内側後頭頭頂葉病変で発症したpoststroke Dementiaの症例を報告する.患者は73歳の男性で,急性硬膜下出血で2回血腫ドレナージ術を受けた直後,皮質下出血を発症しいちじるしい認知症になった.患者は中等度の知能低下,いちじるしい記銘力障害,地誌的失見当識,遂行機能障害,自己認識(self-awareness)の障害のため,それまで通りの自立した生活が送れなくなった.これら認知障害は,発症から3年間で進行しなかった.頭部MRIでは大脳実質や海馬に小病変の散在をみとめたが,視床に病変はなく前頭葉や内側側頭葉のいちじるしい萎縮はなかった.本例は左内側後頭頭頂葉の認知機能における重要な役割を示唆している.
- 日本神経学会の論文
日本神経学会 | 論文
- 書字動作の神経科学 : 書字運動の計算理論モデルを中心に
- 重症筋無力症に合併した難治性バセドウ眼症の1例
- 神経サルコイドーシスの診断基準案
- 大腸癌とその転移にともなう凝固線溶系の異常により脊髄円錐部出血をきたした1例
- 垂直性共同視麻痺を呈した両側延髄内側梗塞の1例