センチピードグラスの出穂に及ぼす日長の影響
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概要
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センチピードグラスの生態系への影響評価のため,日長が出穂に及ぼす影響を検討した。実験前年に挿し芽で育成した2系統(品種「ティフ・ブレア」由来)と当年播種した4系統(「普通種」3系統と「ティフ・ブレア」)を供試し,13時間日長(13 h区),16時間日長(16 h区),前半62日間16時間日長/後半94日間13時間日長(16→13 h区)の3処理で156日間の日長処理をした。温度は全処理区30°C 8時間/25°C 16時間とした。挿し芽2系統では13 h区と16→13 h区で生殖生長移行率が高く,13 h区で16→13 h区より出穂までの日数が短かった。播種4系統では出穂までの日数の処理区間差は評価できなかったが,16→13 h区で生殖生長移行率が最も高かった。16 h区では全系統で生殖生長移行率が最も低かった。出穂個体の出穂時地上部乾物重は22.2 g以上であった。発芽後の実生は基本栄養生長相を経て感光相に至り,感光相移行直後の個体の日長反応性は長短日性だが,齢の経過した個体は短日性になると考えられた。本種は栽培適地の東北地方南部以南の日長で出穂可能なため,生態系への影響評価の際は有性生殖を考慮する必要がある。
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