トマト養液栽培でのヨウ素処理による青枯病の発病抑制効果
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概要
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ヨウ素分子(I2)が養液栽培の培養液の殺菌に利用可能か検討した.試験管内の実験において,Ralstonai solanacearum(Rs)に対してはI2濃度1 μg/ml,処理時間5分以上で十分な殺菌効果が認められた.栽培容器(コンテナー)を用いた試験では,トマト栽培前のRsを接種した培養液に15分間の殺菌処理を行ったところ,無処理区では青枯病の発病率が83.3%であったのに対し,3 μg/ml処理区は0%であった.一方,栽培中の培養液に60分間の殺菌処理を行ったところ,3および5 μg/ml処理区では共に,処理直後には培養液から細菌は検出されなくなったが,処理3日後には検出され,以後その密度が無処理区と同程度まで増加した.処理1ヶ月後では,殺菌処理区は無処理区に比べて発病が50%ほど抑制されていた.以上の結果から,ヨウ素の青枯病菌に対する滅菌作用とトマト養液栽培でのヨウ素処理による本病の発病抑制効果が認められた.
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