三次元心筋局所収縮率分布イメージング法の開発
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概要
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心筋梗塞などの心筋虚血性疾患では, 早期に心筋壁運動に異常が現れるため, 心筋収縮能を客観的, 定量的に把握することが, これらの心疾患の病態評価と適切な治療の上で重要となる. このため従来から超音波像により壁運動異常を診断する様々な手法が用いられている. その多くは, 実時間で空間分布が得られる利点から組織ドプラ法や, 心筋ストレイン法のようにドプラ法を基本にしたものであるが, これらは超音波ビーム方向成分のみの動きの検出であるため, ドプラ角が90°に近い領域では推定不能となるなど, 局所的な異常を適切に把握することは難しい. 我々は, 従来手法の問題点を克服して心筋壁運動の客観的, 定量的な診断を可能とすることを目的に, 二次元ア***ローブを用いて, 心筋のような変動範囲が大きい場合についても各部の三次元的変位ベクトルを高速且つ高精度に計測し, ひずみテンソルに基づくパラメータを導入して, 局所収縮率分布を画像化する三次元心筋ストレインイメージング法を提案した. 本論文では, その原理を概説し, また梗塞心筋モデルを用いたシミュレーションにより本手法の有効性を検証した. また, 現状の超音波診断システムにも適用が容易な形として一次元ア***ローブ用に簡便化する方法を示した. さらに, その結果をもとに基礎実験システムを構成し, 心筋ファントムの計測を行った. これらにより提案手法の有効性の検証と, 実用化の方向を示した.
- 一般社団法人 日本超音波医学会の論文
一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
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