右肺上葉切除後の中間気管支幹の屈曲に対して胸腔鏡下胸腔形成術を行った1例
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概要
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症例は76歳の女性.原発性肺癌に対し胸腔鏡下右上葉切除術と縦隔リンパ節郭清を施行した.術後早期より酸素化が悪く,気管支狭窄音があり,CTにて右中葉の無気肺と下葉の一部に無気肺がみられた.気管支鏡にて中間気管支幹の狭窄と中葉支の閉鎖を認め,残存肺の偏位による気管支屈曲を疑い,術後9日目に再手術を施行した.術中所見は,中葉が頭側に持ち上がり中間気管支幹が内側に屈曲していた.このため,胸腔鏡下にpolytetrafluoroethylene sheet(ePTFEシート)を用いて隔壁を形成する胸腔形成術を施行した.再手術後の気管支鏡検査では気管支の狭窄はなく経過は良好で,再手術後12日目に退院した.右上葉切除後の中間気管支幹屈曲に対し胸腔鏡下胸腔形成術が有効であった.
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会の論文