大血管浸潤を伴うT4非小細胞肺癌切除症例の検討
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概要
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大血管浸潤を伴う非小細胞肺癌に対する手術適応について統一された見解はない.当院にて手術を施行した大血管へ浸潤を示す非小細胞肺癌T4症例の臨床像・治療成績を検討した.2000年から2009年の原発性肺癌手術症例のうち病理診断にて大血管浸潤によるpT4と診断された大血管合併切除症例13例を対象とした.臨床病期はIIIA期が8例,IIIBが5例で,術前治療は10例に施行され,浸潤臓器は大動脈6例,上大静脈2例,他の大血管が3例,右心房1例,左心房1例であった.組織型は腺癌8例,扁平上皮癌5例で,pN0が9例,pN1,pN2が2例ずつであった.在院死を1例に認めた(7.7%).5年生存率は31.2%で,pN0症例では48.6%,pN1-2症例で0%,腺癌で51.4%,扁平上皮癌で0%であった.pN0症例において長期生存が得られる可能性がある一方,扁平上皮癌が予後不良である可能性が示唆された.
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会の論文