同時性同一肺葉内多発肺癌を含む異時性3臓器4重複癌の1切除例
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概要
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症例は,2年前に大腸癌内視鏡的切除の既往がある76歳男性で,他疾患経過観察中に胸部異常陰影を指摘された.胸部CTにて右肺上葉に2ヵ所の結節陰影が確認され,気管支鏡検査にて肺癌の診断を得た.リンパ節郭清を伴う右肺上葉切除術を施行し,病理組織学的検査により,右上葉の結節は腺癌と扁平上皮癌からなる同時性多発肺癌と診断した.術後7ヵ月にて黄疸が生じたため,内視鏡的逆行的胆管膵管造影検査を施行したところ,胆管癌による胆管狭窄が認められた.検査1ヵ月後,急性膵炎にて死亡した.大腸癌,胆管癌,同時性多発肺癌からなる4重複癌の報告は検索しうる限り存在せず,極めて稀と考えるので文献的考察を加え報告する.
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会の論文