左B1+2転位気管支とV1+2走行異常を伴う左上葉肺癌の1切除例
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概要
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左B1+2転位気管支とV1+2走行異常を伴う左上葉肺癌の1切除例を経験したので報告する.症例は83歳男性.胸部X線写真で左中肺野に3 cm大の異常陰影を指摘され当院紹介となった.精査により,左B1+2転位気管支とV1+2の走行異常を伴う左上葉肺扁平上皮癌と診断された.本症例は,V1+2と左B1+2転位気管支が共に肺動脈幹の背側を回る解剖学的な異常を有していた.手術手順としては,はじめに肺門背側でV1+2とB1+2転位気管支を切離し,残る肺血管・気管支を処理したのち,最後に葉間切離を行って左上葉切除術を施行した.気管支・肺血管分岐異常を伴う肺癌手術では,術前の画像診断でそれらを詳細に検索し手術手順を計画しておくことが重要であると思われた.
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会の論文