慢性膵炎急性増悪による続発性急性縦隔炎の1手術例
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概要
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急性膵炎や慢性膵炎急性増悪時の合併症として縦隔炎を認めることは稀である.私たちは,慢性膵炎急性増悪による続発性急性縦隔炎の1手術例を経験したので報告する.症例は43歳男性.アルコール性慢性膵炎にて加療中であった.背部痛と胸部灼熱感を主訴に当院を受診した.慢性膵炎急性増悪と急性縦隔炎と診断され,緊急に胸腔鏡下経胸腔縦隔膿瘍ドレナージを施行した.膿瘍内容液のエラスターゼI高値から慢性膵炎急性増悪による続発性急性縦隔炎と診断された.膵炎患者が胸部症状を訴える時には,重篤な胸腔内合併症を伴っている可能性を念頭に置きながら早期診断に努めるべきで,急性縦隔炎の合併が診断されれば,外科的ドレナージ術を行うべきである.
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会の論文