降下性壊死性縦隔炎に対する治療,特にアプローチ法の選択について
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概要
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降下性壊死性縦隔炎(以下,DNM)は感染が縦隔まで波及した病態であり,重篤化しやすい.2000年以降,6症例を経験した.内訳は男性4例,女性2例で,平均年齢は56.8歳であった.原因疾患は歯性感染が3例,咽喉頭感染が3例であったが,易感染性を来すような基礎疾患は認めなかった.外科的ドレナージについては,1例は頸部アプローチのみ行い,それ以外の症例に対しては頸部+胸腔鏡下(VATS)ドレナージを行い,いずれも治癒し得た.1例に再手術が必要であった.近年の4症例は,胸腔鏡で胸腔内の炎症を観察した後に,ポートを適宜追加し胸腔内洗浄・ドレナージを行っている.DNMに対してVATSによる縦隔及び胸腔ドレナージは低侵襲で視野も良好であり,有用な方法である.
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会の論文