セルロースナノファイバーを利用したエネルギーおよびマテリアル製造技術
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概要
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近年,木質系バイオマスのエネルギーあるいはマテリアル利用技術に関心が集まっている。木材の主成分はセルロースであり,木材中ではセルロースミクロフィブリルと呼ばれる集合体を形成している。ミクロフィブリルから構成されているセルロースナノファイバーは,軽量かつ高強度という特徴を持っている。<BR>本研究では,木材から得られるセルロースナノファイバーを基幹物質として利用した酵素糖化前処理技術(バイオエタノール製造技術)およびナノファイバー・樹脂複合化技術の開発について行った。我々は木材から直接にナノファイバーを製造する技術として,水熱処理と湿式粉砕処理を組み合わせた複合処理技術(水熱メカノケミカル処理)を開発した。ナノファイバーは極めて大きな表面積を持っているため,酵素は容易にセルロース分子に接近して糖化が進行する。<BR>ナノファイバーの製造では,水は必須である。そのため,樹脂との複合化では脱水と乾燥を行う必要がある。しかし,ナノファイバーはお互いに凝集しやすい性質を持っている。 そこで,凝集を抑制して樹脂にナノファイバーを均一分散させる手法について検討した。<BR>その結果,ナノファイバースラリーを低融点オレフィンと直接混合するマスターバッチ法を用いることで効果的に複合化できることが分かった。得られたナノファイバー・ポリプロピレン複合体は,わずか1wt%のナノファイバー添加で強度物性が向上し,さらに高い伸び特性を発揮した。
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