技術革新が新聞用紙とその製造技術を如何に変えてきたか―新聞用紙製造技術の系統化調査(その3)―:―新聞用紙製造技術の系統化調査(その3)―
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
第1回で,紙パルプ産業の歴史,テーマ選定の背景及び基礎技術を簡単に解説し,第2回では,新聞用紙製造60年の変遷とその原料開発の歴史を紹介した。今回は,抄紙機に見られる技術開発の歴史を述べる。<BR>約2,000年前に発明された手漉きの方法(バッチプロセス)が1800年代初めに抄紙機として連続化され,生産性が飛躍的に向上し,印刷物の普及に大きく貢献した。この報告では1950年以降の抄紙機における技術開発を概観する。この技術開発を引き出したのは,新聞社における印刷技術の革新で,それを可能にする高信頼性の新聞用紙を大量に供給することが求められた。また,国際競争からコスト競争力のある新聞用紙を生産する必要があった。そのため,日本の製紙産業は次々と新しい技術を導入することで抄紙機の高速,大型化を進めた。また品質の関しても,国際水準をはるかに超える要求を満たし,結果として国内市場を維持し続けた。それを支えた個々の技術開発を解説するが,その過程で,製紙産業とその技術を提供する関連産業との信頼・協力が大きな役割をはたしてきた。<BR>次回では,日本の製紙産業の技術の特質を他国の製紙産業と比較して考察する。
- 紙パルプ技術協会の論文
紙パルプ技術協会 | 論文
- 塗工紙の含有水分と圧縮挙動
- 紙の内部散乱光特性の評価
- 抄紙坪量プロファイル調整装置(特開平8-176988)
- 水分計を利用した塗工量測定 (第18回紙パルプ計装技術発表会特集)
- 地球温暖化対策-20世紀後半異常社会からの脱却