ポリビニルアミンの新知見―ポリビニルアミンをベースにした定着剤―:―ポリビニルアミンをベースにした定着剤―
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概要
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木材ピッチ, ホワイトピッチ, 粘着物質のような疎水性物質が, 使用される原料によって抄紙系に混入されてくる。一般的にこのような疎水性物質による操業性の問題を低減するため, カチオン性定着剤が使用されている。新規のポリマーであるポリビニルアミン (以後PVAmと略す) が開発され, 疎水性物質の処理法を改善するその大きな可能性が期待されている。PVAmによる繊維と粒子の結合力, つまりはPVAmの定着力は, その分子量, カチオン化度及び疎水性官能基によって広範囲に調整が可能である。可溶性アニオン性物質に比較して, 疎水性粒子のアニオン電荷はかなり低い。それゆえに, アニオン電荷の相殺ということは最重要な方法ではない。つまりは, 繊維と疎水性粒子間の結合力をできるだけ最大にしなければならない。せん断力によって結合が切れる場合は, 粒子の不安定化と凝集作用を防ぐために, 繊維と粒子間のポリマー移転量をできるだけ小さくしなければならない。分子量, カチオン化度及び疎水性官能基を適度に調節したPVAmは, 凝集を起こさずに粒子を繊維に定着させる効果が最適化される。
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