広葉樹の蒸解と漂白―樹種の違いに因る影響とヘキセンウロン酸の生成と除去―:―樹種の違いに因る影響とヘキセンウロン酸の生成と除去―
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概要
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近年広葉樹のパルプ化や漂白に関する研究が多くなってきた。それに伴ってプロセスの重要性や樹種の違いに対する理解も進んでは来たが, いまだ研究の余地は多く残されている。特に広葉樹においては, 針葉樹と比して, 樹種による繊維の違いが大きいこと, ヘキセンウロン酸を多く含有することから, 蒸解条件及び漂白条件を整える必要があり, 条件を整えることによりパルプ歩留り, 漂白性, 繊維特性を最適化することが可能であることが判明してきている。ヘキセンウロン酸はリグニンとは異なる処理が必要になり, 脱リグニンとは別に考慮する必要がある。広葉樹の蒸解において, ヘキセンウロン酸の形成を低くする条件を整えること, ECF・TCF漂白条件においては, ヘキセンウロン酸を除去する方法がパルプ品質, 白色度に大きく影響することが判明してきた。更に広葉樹の多岐にわたる特性から, 抄紙からの要求に出来るだけ沿ったファイバーをパルプ生産工程で調整することが, 今後可能になると考えられる。現在の技術でも, 蒸解条件・酸素脱リグニン条件・高濃度オゾンを導入した漂白シーケンスを用いて, 漂白排水を従来の50%以下にするプラントを構築することが可能になっている。
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