遺伝子組換えユーカリの開発
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概要
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日本製紙では植林地における単位面積当たりの収量の増加と品質向上を目的として,植物バイオテクノロジーを応用した高バイオマス生産性樹木の開発を行っている。欧米各国に厳しく管理されている遺伝子資源や特許の問題を解決するために,当社では独自の要素技術の開発を行っている。本報告では,高バイオマス生産性樹木の開発戦略に必要な要素技術として,(1)遺伝子資源の確保,(2)有用遺伝子の確保,(3)遺伝子導入法の開発,(4)大量増殖技術の開発,(5)形質評価技術の開発について述べる。また,これら要素技術の組合せによる耐塩性遺伝子組換えユーカリの開発について報告する。<BR>遺伝子組換え樹木の実用化には,遺伝子組換え体の使用に関する社会的受容の問題を克服する必要がある。当社が独自に開発したMATベクターシステム®は(1)不要な遺伝子(抗生物質耐性遺伝子)の除去,(2)有用遺伝子の多重導入,(3)不稔クローンの利用を可能とする技術である。<BR>今後,これらの要素技術を組合せ,利用価値の高い早生樹であるユーカリ,アカシア,ポプラのバイオマス生産性を向上させることにより,植林可能地域の拡大とチップ収量の増大を図り,再生産資源の安定的な供給および環境保護に役立てたいと考えている。
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