石灰硫黄合剤による化学熱傷の 2 例
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概要
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症例 1 : 52 歳,男性。リンゴの木の消毒のために石灰硫黄合剤を散布した。その後,顔面に灼熱感が出現し,翌日当科を受診した。頬部から頚部にかけて,灰白色の痂皮が付着したびらん,潰瘍を認めた。外科的デブリードマンを施行し,ワセリンで保存的に治療し,3 週間後に上皮化し治癒した。症例 2 : 79 歳,男性。リンゴの木の消毒のため,石灰硫黄合剤を使用した。石灰硫黄合剤が顔面の一部に付着し,翌日より前額部に浮腫と疼痛が出現した。前額部に黄白色の痂皮が付着した潰瘍を認めた。外科的デブリードマンを施行し,プロスタグランジン E1 軟膏の外用を行い 1 週間後に上皮化した。石灰硫黄合剤は,深達性のアルカリ熱傷を引き起こす農薬であり,難治性の皮膚潰瘍を呈することがある。本 2 症例は早期に外科的デブリードマンを施行することにより,速やかに治癒に導くことができた。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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