母斑細胞母斑の下床に隣接し,Balloon Cellの増殖を伴った悪性黒色腫の1例
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概要
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78歳,男性。40年以上前より存在する左頬部の褐色調の結節が徐々に増大した。2004年と2008年に前医の生検により悪性黒色腫が疑われ,速やかな全摘を勧められたが拒否し,家族に説得され当科を受診した。現症:左頬部に径3cm,褐色調~黒色調のドーム状に隆起する弾性硬の結節が認められた。広範切除を望まず可及的に切除した。組織:真皮浅層に母斑細胞の胞巣があり,その下床に小型の腫瘍細胞と,核の異型性を伴い豊富な細胞質を有する大型の腫瘍細胞が増殖していた。母斑細胞巣と腫瘍巣の境界は不明瞭であった。HMB45を強く発現するballoon cellは腫瘍巣の約30%を占めた。積極的治療を望まず,術後10ヵ月後に多臓器転移により死亡した。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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