超音波検査が診断に有用であったPencil‐core Granulomaの1例
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概要
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54歳,女性。小学生の時に右手掌に鉛筆の芯がささり青色斑となった。初診の約10年前から隆起し増大してきた。超音波検査では皮内から皮下に15×11mmの低エコー腫瘤を認め,腫瘤内部に10mmの線状の高エコーな部分を認めた。Pencil-core granulomaのほか,外傷性類表皮嚢腫,異物肉芽腫,悪性黒色腫等を疑い手術で腫瘍切除を行った。摘出した腫瘍を半割すると内部に鉛筆の芯と思われる黒色異物が認められた。病理では黒鉛を貪食したマクロファージを認めpencil-core granulomaと診断した。Pencil-core granulomaはその臨床像から悪性黒色腫との鑑別がしばしば問題となるが,自験例では芯の刺入歴がはっきりしていたことと,超音波検査で芯と一致した異物像を腫瘤内に認めたことより,鑑別が比較的容易であった。超音波検査は外来で簡便に施行できる検査であり鑑別に有用であると考えた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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