妊娠初期に発症し人工流産後も遷延した難治性妊娠性疱疹の1例
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概要
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33歳,女性。バセドウ氏病にて甲状腺亜全摘出術後。妊娠7週頃より全身のそう痒が出現し,続いて四肢を主体とする紅斑,水疱が出現した。皮膚生検で表皮内・表皮下水疱を認め,抗BP180抗体558.0と高値であったことより妊娠性疱疹と診断した。プレドニゾロン40mg/日内服にて一時症状軽減するも減量後に再燃し,妊娠19週3日に人工流産を選択した。その後,二重膜濾過血漿交換療法を計13回施行したが,症状が持続しステロイドを減量できなかった。インターフェロン<I>γ</I> 大量静注,ミゾリビン内服などの治療を行うも完全には病勢をコントロールできず,現在も治療中である。妊娠性疱疹は通常出産後1ヵ月以内に消退するとされるが,長期にわたり症状が遷延する難治例がまれながら存在する。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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