塩酸オロパタジン内服によるアトピー性皮膚炎患者の血中サブスタンスPとTh17細胞割合への影響
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概要
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第2世代抗ヒスタミン薬は,抗ヒスタミン作用以外にも様々な免疫学的調整作用を併せ持つ。アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis : AD)患者におけるかゆみ増強サイクルにおいて重要な役割を担う,サブスタンスP(substance P : SP)の産生にも一部の抗ヒスタミン薬は影響することが報告されている。また近年,ADの病勢に応じてIL-17産生CD4陽性細胞(Th17細胞)が重要な役割を果たすことが判明している。今回我々は,当院におけるAD患者15名に対して塩酸オロパタジンの内服療法を行い,内服前後の血中SPとTh17細胞割合の変動を測定した。同時にかゆみの程度としてvisual analogue scale(VAS),ADの重症度としてscoring atopic dermatitis(SCORAD)を評価し,SPとTh17細胞割合の変動との関連性を検討した。結果,塩酸オロパタジン内服前後で,VASとSCORADの改善とともにSPの有意な低下がみられた。Th17細胞は,有意差はないものの,検討した9名中7名で低下していた。塩酸オロパタジンによるSP産生・遊離抑制効果が,AD患者の臨床症状改善に寄与している可能性が示された。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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