中毒性表皮壊死症の2例
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概要
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中毒性表皮壊死症の2例を経験した。2症例ともにステロイドパルス療法, 免疫グロブリン大量静注療法を施行した。各医療機関において, ステロイドパルス療法はまず行われるべき治療法であるが, 次の手段として, 保険適応のある血漿交換療法を行うのか, 保険適応のない免疫グロブリン大量静注療法を行うのか, 議論が分かれるところである。全身の皮膚バリア機能が破綻する中毒性表皮壊死症において, 感染症は常に背中合わせであり, 四肢の太い血管を必要とする血漿交換療法は, びらん上にルートを確保する必要がある場合がありリスクを伴う。しかしながら, 免疫グロブリン大量静注療法は部位を選ばず投与が可能で, ルート確保時における感染症のリスクも低く, さらに感染症に対しても効果がある。中毒性表皮壊死症の本態は表皮の壊死による全身のびらん, それに伴う感染症であり, 皮膚の上皮化を促進させ, 重症感染症に効果がある免疫グロブリン大量静注療法はステロイドパルス療法終了後, 直ちに施行すべき治療法と思われる。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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