Generalized Morphea様の皮疹を伴った全身性強皮症の1例
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概要
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35歳, 女性。2002年, Raynaud症状と手指から前胸部まで連続する皮膚硬化が出現した。近医で抗セントロメア抗体陽性のdiffuse cutaneous systemic sclerosis(SSc)と診断され, ステロイド, D-ペニシラミン, サラゾスルファピリジン, シクロスポリン内服や内服PUVA等の治療を受けるも軽快せず, 2005年8月当科紹介となった。全身に著明な皮膚硬化を認め, 逆流性食道炎を合併していた。プレドニゾロン(prednisolone ; PSL) 30mg/日内服開始し, 次第に皮膚硬化は改善した。PSL 7mg/日まで減量していたが, 2007年9月全身そう痒が出現し, 12月には手背, 背部, 下肢に紅色斑状硬化性局面を認めるようになった。病理組織所見も含め, generalized morphea様皮疹を伴ったSScと診断した。PSL 20mg/日内服に反応せず, タクロリムス軟膏外用, シクロスポリン内服併用で皮膚硬化・そう痒ともに軽快した。SScにはmorphea様皮疹を伴うことがあり, 限局性強皮症に準じた治療が行われる。自験例からステロイド抵抗性の限局性強皮症, 特にSScに合併したものに対して, タクロリムス軟膏外用やシクロスポリン内服併用は効果が期待できる治療法の一つと考えた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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