摂取された魚骨の穿通により生じた肛門周囲膿瘍の1例
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概要
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71歳,女性。1週間前より左臀部の紅斑・腫脹・疼痛が出現した。初診時,肛門左側から左臀部にかけて,びまん性の紅斑・腫脹・熱感を認めた。緊急手術を施行したところ,多量の排膿とともに鋭利な異物が発見された。異物は組織学的所見と形状から,魚骨と判断した。痔核や痔瘻は認められず,臀部慢性膿皮症などの所見もなく,膿瘍腔から魚骨が摘出されたことから,魚骨が肛門を穿通して皮下に迷入したことにより発症した肛門周囲膿瘍と診断した。魚骨の穿孔・穿通による肛門周囲膿瘍は,本邦において自験例を含め12例が報告されている。突然の肛門周囲膿瘍を見た場合には,稀ではあるが魚骨の穿孔や穿通による膿瘍形成も念頭におく必要があると考える。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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