Lupus Erythematosus Profundusに伴って筋の線維化を認めた1例
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概要
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56歳,男性。1996年に両頬部紅斑を主訴に受診し,円板状エリテマトーデス(discoid lupus erythematosus)との診断を受けた。以後,外来受診が途絶えていたが,2005年頃より,右頬部,左大腿部に皮下硬結が出現した。左大腿部の皮下硬結に圧痛を伴うようになったため,近医整形外科を受診。MRI検査にて左大腿部の筋炎を指摘され,皮下硬結との関連の精査目的で当科紹介受診となった。右頬部,左大腿部は皮膚生検およびMRI所見よりlupus erythematosus profundusと診断した。左薄筋の筋生検を行ったところ,肉眼的に筋膜,筋肉ともに灰白色調を呈しており,病理組織では,筋炎と筋の線維化を認めた。経過中,クレアチニンキナーゼ,アルドラーゼ,ミオグロビンなどの上昇が間歇的に見られたが,両上肢,右下肢の筋力低下,嚥下困難,その他の全身症状は認めなかった。2007年に抗Sm抗体,抗U1-RNP抗体が陽転化したが,やはり,肺,腎を含め,皮膚,筋以外の症状はなかった。Lupus erythematosus profundusで見られる皮下脂肪織の炎症が,筋肉層にまで波及し,筋の線維化を生じたと考えた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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