無汗性外胚葉形成不全症の兄弟例
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概要
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先天性無汗性外胚葉形成不全症の兄弟例を報告した。2 歳の男児,生後4ヵ月より夏期に38℃以上の鬱熱を繰り返し,無汗と全身皮膚の乾燥が持続し,精神発達遅滞がみられた。生後2ヵ月の弟にも同様の症状を認めたため,精査目的で受診した。初診時臨床は兄弟とも全身の皮膚の乾燥が強く,頭髪は細く疎で,眉毛睫毛は疎らであった。前額は大きく四角く突出し,鼻根部は沈み鞍鼻を形成する特徴的顔貌を呈し,耳介の低位と歯牙の低形成がみられた。病理組織学的に連続切片で毛包及び汗腺の形成がみられなかった。熱性痙攣の反復による精神発達遅滞を防ぐため,体温調節の厳重な管理と乾燥皮膚の継続的治療が重要と考えられた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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