そう痒性皮膚疾患に対するロラタジン口腔内速溶錠(クラリチンレディタブ錠)の服用性及び有用性の検討―患者主体の評価を中心に―:—患者主体の評価を中心に—
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概要
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香川大学医学部附属病院及び関連病院皮膚科外来を受診したそう痒性皮膚疾患患者102例を対象として,ロラタジン口腔内速溶錠(クラリチン®レディタブ®錠)について服用性と有用性に関する評価を行った。さらにアンケート調査による患者サイドからの本剤の服用性と有用性についての評価もあわせて実施した。その結果,味や溶けやすさなど『飲みやすさ』に関する評価(総合)では,「良い」72例(70.6%),「どちらともいえない」25例(24.5%),「悪い」1例(1.0%)であった。また飲み忘れについては,今までに内服薬の飲み忘れが,「ある」81例(79.4%),「ない」21例(20.6%)に対して,本剤では,「ほとんど飲み忘れはなかった」69例(67.6%),「時々飲み忘れがあった」24例(23.5%),「頻繁に飲み忘れがあった」6例(5.9%)で,ロラタジン口腔内速溶錠の『飲み忘れ』は少なかった。一方,痒みに対する効果は,患者評価として前治療の第2世代抗ヒスタミン薬(ロラタジン錠を除く)と比べて本剤の方が,「良い」47例中9例(19.1%),「どちらともいえない」が47例中35例(74.5%)であり,これらをあわせて93.6%と,前治療の第2世代抗ヒスタミン薬とほぼ同程度の有効性を示した。さらに眠気に関しては,前治療に第2世代抗ヒスタミン薬(ロラタジン錠を除く)が投与されていた47症例では「眠気なし」48.9%に対して,本剤では「眠気なし」74.5%と眠気発現の頻度は有意に減少した(p=0.0027,McNemar検定)。以上より,ロラタジン口腔内速溶錠は,そう痒性皮膚疾患の治療において優れた服用性とともに,医師サイドのみならず患者サイドからもその臨床的有用性が示された。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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