早期顕症梅毒の4例―今日における診断の重要性―:—今日における診断の重要性—
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概要
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2005年11月から2006年6月の比較的短期間に当科で経験した早期顕症梅毒の4例を報告する。また,梅毒患者の福岡県や全国の統計,最近の気になる梅毒関連報告も交えて今日における梅毒の診断的意義を述べる。2症例は第2期梅毒を呈した46歳と35歳の女性で,全身性紅斑と丘疹を認めた。一方は発熱,関節痛,肝障害などの全身症状を伴っていた。他2症例は第1期梅毒を呈した32歳と39歳の男性で,それぞれ陰茎,亀頭部の皮膚潰瘍を認めた。いずれの症例もアモキシリンの内服によって皮疹やその他の臨床症状は軽快した。著効薬アモキシシリンの開発以降,梅毒の診断的意義はあまり重要視されなくなりつつあるのではないだろうか。しかし,統計上これから数年は戦後より起こった約20年周期の梅毒流行のピークにあたると考えられ,症例の増加が予想される。近年HIV感染合併例の報告も増えており,今後も梅毒の診断的意義は高いものと考える。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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