運動麻痺を併発した複発性帯状疱疹の1例
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概要
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症例は72歳,男性。15年前より慢性関節リウマチ。5年前に胃潰瘍。帯状疱疹罹患歴なし。2004年1月,背部に疼痛を伴う皮疹に気づいた。近医皮膚科を受診し,鎮痛剤と外用薬を処方·投与された。翌々日同様の皮疹が腹部にも出現し,水疱を形成してきたため,その2日後に他院を受診,帯状疱疹の診断で当科に紹介された。初診時,右背部,右肩部から肩甲上部(C4~5領域)と右腹部~側腹部~背部(Th8~9領域)に紅色丘疹ないし小水疱が集簇し,一部痂皮を伴っていた。自験例を複数の神経節支配領域にまたがる帯状疱疹と診断し,抗ウイルス剤による治療を行った。患者は加療約1週間目から右上肢の挙上困難を訴え,神経内科を受診した。その結果帯状疱疹に伴う運動神経麻痺と診断された。以上のことから自験例は運動神経麻痺を伴った稀な複発性帯状疱疹であった。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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