被髪頭部に生じた好酸球性膿疱性毛包炎の1例
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概要
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42歳の女性,3ヵ月前より後頭部にそう痒を伴う丘疹が出現。徐々に数が増加してきたため近医受診し,毛嚢炎として加療されるも難治のため,当科を受診した。病理組織学的には,表皮内の一部に海綿状態がみられ,毛包壁の破壊を伴う毛包周囲の密な炎症性細胞浸潤が認められた。炎症性細胞浸潤は主にリンパ球,組織球,好酸球より構成されていた。インドメタシン75mg/dayにて治療を開始するも,そう痒,丘疹が軽快しないため,DDS 75mg/dayに変更したところ,1ヵ月後には皮疹はほぼ消失した。本邦報告例では頭部に皮疹を認めた例は少なく,被髪頭部のみに限局した例の報告は,自験例が最初であった。被髪頭部に痒みを伴う丘疹や,膿疱を見た際には,本疾患である可能性も考慮に入れ,診療すべきと考えられた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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