ポビドンヨード液による皮膚潰瘍の2例
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概要
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ポビドンヨード液の長期外用にて生じた皮膚潰瘍の2例を報告する。症例1: 46歳の男性。2004年6月頃,右下腿切断断端部の水疱を伴う紅斑をヘルペス感染症として,勤務先の病院で約2ヵ月,イソジン<SUP>®</SUP>消毒,カデックス<SUP>®</SUP>軟膏で処置されたところ,潰瘍化した。症例2: 72歳の男性。2005年11月,包茎手術後,イソジン<SUP>®</SUP>きず薬で自己消毒を約1ヵ月続けたところ,同部が潰瘍化した。消毒薬と外用剤による48時間閉鎖式パッチテストでは,症例1ではイソジン<SUP>®</SUP>液,カデックス<SUP>®</SUP>軟膏,ユーパスタ<SUP>®</SUP>軟膏が陽性,症例2では前2者が陽性であり,ポビドンヨード液を含む製剤の陽性反応は48時間後より72時間後の方が強く,1週間後も反応が持続していた。したがって我々はこの2症例ともポビドンヨード液による刺激性+アレルギー性接触皮膚炎および潰瘍と診断した。難治性の皮膚潰瘍を見た場合,消毒薬によるパッチテストは必須である。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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