紫外線曝露を契機に非露光部へ水疱の拡大を認めた水疱性エリテマトーデスの1例
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概要
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23歳,男性。2005年5月より顔面に水疱・紅斑が多発してきた。精査の結果全身性エリテマトーデスと診断された。皮膚病理組織では表皮下水疱・真皮乳頭部に好中球主体の細胞浸潤を認めた。蛍光抗体直接法ではIgG・IgA・IgM・C3で基底層および毛包周囲に線状の沈着を認めた。1MのNaCl分離皮膚を用いた蛍光抗体間接法では表皮側・真皮側のいずれにも明らかな沈着を認めなかった。入院中は水疱の拡大を認めなかったが,外泊後に前胸部まで水疱が拡大し,紫外線曝露が水疱形成の増悪因子であることが示唆された。本例はVII型コラーゲンに対する自己抗体を証明できなかったものの,臨床像および皮膚病理組織像より水疱性エリテマトーデス(3型)と考えられた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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