難治性成人型アトピー性皮膚炎患者に対する塩酸パロキセチンの治療効果の検討‐アトピー性皮膚炎患者とストレス‐:—アトピー性皮膚炎患者とストレス—
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概要
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アトピー性皮膚炎(AD)の要因の一つに心身医学的側面が関与しているとの報告がある。選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)である塩酸パロキセチン(パキシル<SUP>®</SUP>)をAD患者に投与し,皮膚症状・そう痒に対する治療効果を検討するとともに,AD患者の心理状態の変化を評価した。方法: 14例のAD患者に塩酸パロキセチンを8週間投与し,治療前後の臨床症状および心理状態の推移を非投与群(12例)と比較検討した。心理状態の評価にはアトピー性皮膚炎用心身尺度(PSS-AD),自己評価式抑うつ性尺度(SDS),状態・特性不安検査(STAI)を使用した。結果: 内服8週後,投与群,非投与群とも皮膚症状,そう痒,心理状態のスコアは改善を示したが,投与群でより改善した。SDS,STAIは正常人の平均値と比べてAD患者は高値を示した。考察: ADにおける心身医学的療法として,心理テストを行い,SSRIを投与することは有効な治療法の一つになる可能性が示唆された。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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