抗トキソプラズマ抗体高値を示した皮膚筋炎の1例
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概要
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62歳,女性。1991年2月より顔面・前頚・手背を初発として紅斑が出現し,次第に拡大するため当科を受診した。その後の臨床症状および検査所見から,皮膚筋炎と診断した。同時に,抗トキソプラズマ抗体価の上昇を認めたため,治療経過中にアセチルスピラマイシンとサルファ剤による抗トキソプラズマ療法を併用したが,抗体価に速やかな変動はみられなかった。抗体価は,その後,皮膚筋炎に対してプレドニゾロンの投与が開始され,臨床症状・検査所見が安定するにつれて,ゆっくりと低下していった。皮膚筋炎と診断される症例の一部とトキソプラズマ症との関連が強く示唆されており,その発症に関与している可能性がある。皮膚筋炎の患者の診療にあたる際には,トキソプラズマ症についても念頭に置き,抗体価を測定するのが望ましいと考えられた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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