新しい角層膜厚・水分計ASA‐M2の臨床評価
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概要
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ASA-M2は,低・高周波印加時の皮膚のアドミッタンスを計測し,角層水分評価に加え,角層のバリア機能や厚さを表示する新機器である。水分量は従来の機種の測定原理と共通するが,それ以外は独自の電導度理論により誘導したパラメーターである。このため,アトピー性皮膚炎などの皮膚病変とその対照正常部60部位,ストリッピング皮膚24部位を対象として,SKICON®(角層水分),DERMALAB®(経皮水分蒸泄:TEWL)と同時計測を行い,その信頼性を評価した。その結果,角層水分量についてはSKICON®と全データで相関係数r=0.76(p<0.001)の良好な相関が得られた。バリア機能についてはTEWLと弱いながら有意な相関(r=0.28,p<0.01)を示し,病変とストリッピング皮膚だけを対象とすればr=0.55(p<0.001)を示した。対照正常部では有意な相関はなく,正常皮膚の機能を評価しうる感度はないものの,病変部のバリア機能の低下は捕捉しうると思えた。角層厚は大きな傾向は捉えるものの,予想値とはギャップがあり,その値は相対値と捉えるべきであろう。本機器は,皮膚病変の角層水分量だけでなく,TEWLも大まかに評価したいが,2機種を購入する余裕がないという場合に適した機種であると思えた。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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