境界反応を呈したハンセン病の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は89歳女性。当初サルコイドーシスを疑い,プレドニゾロン,ミノサイクリンによる治療を行ったが,皮疹は軽快せず,皮疹部の知覚鈍麻,大耳介神経,眼窩上神経の肥厚を認めたため,ハンセン病を疑った。皮膚病理組織検査,及びFite染色にて,泡沫細胞内に多数の桿菌を認めたこと,さらに皮膚検体からのPCR法にてらい菌(<I>M. leprae</I>)特異的DNAが検出され,臨床症状,菌指数,病理組織所見よりBL型のハンセン病と診断した。ジアフェニルスルホン(DDS),リファンピシン,クロファジミンの投与を行い,皮疹は軽快したが,治療開始1ヵ月後に再燃をみた。四肢末梢の疼痛も増悪し,境界反応と診断した。プレドニゾロン20mgの追加投与を行い,皮疹の軽快が見られ,神経伝導速度で神経障害の改善を認めた。電気生理学的検査が境界反応の神経障害の評価に有用であった例で,プレドニゾロン減量の指標として役立った。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
- 症例 Toxic Epidermal Necrolysis(TEN)型皮疹を呈したDrug-Induced Hypersensitivity Syndrome(DIHS)の1例
- Hydrocortisone17-Butyrate外用剤(Locoid)の使用経験--とくに弗素化ステロイド長期外用例について
- 多彩な皮膚病変を呈した慢性GVHDの1例
- Lupus Erythematosus Profundus に伴って筋の線維化を認めた1例
- 尿素外用剤塗布後の快適性に関する調査