自衛隊中央病院におけるよう虫病の検討
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概要
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最近経験した恙虫病症例を供覧するとともに,過去23年間に経験した22症例の臨床症状及び臨床検査所見の特徴を検討したので報告する。自衛隊中央病院における恙虫病患者は病院の特性上,全て演習後に発症した男性自衛官で,感染地域はすべて富士山麓である。富士山麓は1948年の駐留米軍によるヘリボン作戦(heliborne operation)の際に多数の患者が発生し,これを契機に厚生省の全国的な調査が始まったという新型恙虫病の発端となった地域でもある。当院で経験した患者数は1981~2003年の23年間に22例あり,初診時期は10月が16例(72.7%)と最も多く,11月が2例(9.1%),12月が3例(13.6%)。臨床的には発熱・皮疹が全例にみられ,発熱先行が18例(81.8%),ほぼ同時出現が3例(13.6%)とほとんどの症例で発熱が先行した。刺し口は1例を除き確認されたが,下腿8例(36.4%),腹部5例(22.7%)胸部3例(13.6%)であった。またリンパ節腫脹は,全身13例,一部8例をあわせ21例(95.5%)に,肝脾腫はそれぞれ11例(50.0%)・12例(54.5%)に認められた。一方臨床検査値の異常としては,GOT,GPT,LDH,CRPの上昇が18例(81.8%),18例(81.8%),21例(95.5%),18例(81.8%)と高率にみられた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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