開口部形質細胞症の2例
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概要
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症例1 : 69歳の男性。約10年前より出現した右下口唇のびらん。同部に1.5×0.8cmの紅斑と径5mmのびらんを認めた。症例2 : 59歳の男性。約4カ月前より出現した下口唇のびらん。同部は1.2×0.7cmの紅斑と中心部に径5mmの浅い潰瘍を認めた。病理組織所見は, 両症例とも真皮内に稠密な形質細胞の浸潤を認め, 開口部形質細胞症と診断。症例1はトリアムシノロンアセトニドの局所注射で略治した。症例2は0.1%トリアムシノロンアセトニド外用で略治した。本邦報告73例の集計を行い開口部形質細胞症の治療について検討した。その結果, ステロイド外用療法が最も多く行われているが, その有効性は約40%と低かった。一方, ステロイド局所注射療法, グリセオフルビン内服, 外科的全切除は, 報告数は少ないもののその有効性はそれぞれ82.3%, 50.0%, 85.7%と高かった。ステロイド外用療法で難治な場合は他の種々の治療を試みるべきと考えた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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