30代白人女性に発症した基底細胞癌の2例
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概要
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症例1は, ニュージーランド出身の34歳の白人女性。左前腕および右前胸部の淡紅色小結節を主訴に受診。病理組織像は表在性基底細胞癌であった。症例2は, アメリカ合衆国出身の35歳のオランダ系白人女性。右肩および左前腕の淡紅色小結節を切除し, 病理組織像は症例1と同様表在性基底細胞癌であった。白人2症例, 4カ所の基底細胞癌の特徴として30代で発症した点, 2症例とも複数発症である点, 4カ所の基底細胞癌のうち3カ所で色素沈着がみられなかった点が挙げられるが, これらの点について, 白人と日本人の差異を当科を含めたいくつかの集計をもとに考察した。発症年齢は白人, 日本人とも60代前後をピークとしており30代という今回の2症例は比較的まれであった。多発例の頻度も日本人, 白人どちらにおいても数%であり, 多発例という点でも比較的まれと考えられた。色素沈着の点では日本人には約80%, 韓国人には約70%にみられるのに対し, 白人では約10%であり, 色素沈着は日本人を含めた黄色人種における基底細胞癌の特徴的な所見と考えられた。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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