Mantle Cell Lymphomaに合併したAcquired Reactive Perforating Collagenosisの1例
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概要
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症例は56歳の女性。39℃台の発熱が突然出現し, 腹部CTにて腹腔内腫瘍を指摘され, 悪性リンパ腫の疑いで入院した。左側頸部の硬く触れるリンパ節及び骨髄の生検標本での免疫組織化学的所見にてmantle cell lymphomaと診断した。入院後, 強いそう痒を伴って手掌・足底・頭部・顔面を除く全身に, 痂皮を付し中央臍窩を有する暗紅色丘疹が出現した。病理組織学的に真皮浅層から表皮を貫く形で, ヘマトキシリン好性に染まる壊死物質へ連続する変性した膠原線維束を多数認め, その上部に杯状に陥凹する潰瘍を認めた。Elastica van Gieson染色では膠原線維が弾力線維とともに真皮から壊死物質中に伸展していた。以上よりacquired reactive perforating collagenosisと診断した。化学療法を行い原病が寛解に至るとそう痒は急速に消失して皮膚病変も消退した。発症原因は原病に伴う強いそう痒・掻破によるものと考えられた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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