汎発性強皮症患者に対するリポ化プロスタグランディンE1製剤(リプル)静脈内投与時に認められる咳そうに関する検討
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概要
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リポ化プロスタグランディンE1 (PGE1) 製剤による治療を行った汎発性強皮症患者60例について治療中~後の咳嗽について検討を行った。1997年1月から2002年1月に東京大学皮膚科にてリポ化PGE1製剤による治療を受けた60例に対して行われた578回の同製剤投与について検討を行ったところ, 60例中20例, 578回の投与中54回に投与中ないし投与後より咳嗽が認められた。咳嗽は軽微ないし中等度のものがほとんどで, 3分以内に消失するものが多く, 長期にわたる重篤な後遺症は認められなかった。統計学的には原疾患が汎発性強皮症である症例に有意に多く咳嗽が認められ, 投与方法ではワンショット静注に有意に多く咳嗽が認められた。1回投与量とは有意な相関は認められなかった。肺線維症を有する症例に咳嗽が多くみられる傾向が認められたが, 統計学的には有意でなかった。肺高血圧症の有無・食道病変の有無とは有意な関連は認められなかった。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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