乳癌を併発した水ほう性類天ぽうそうの1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は52歳女性。当院受診1カ月前より四肢にそう痒を伴う環状の紅斑が出現した。近医で生検を受け, 水疱性類天疱瘡と診断された。プレドニゾロン 20mg/日処方されたが皮疹の改善を認めず全身に拡大したため当院を紹介された。入院時ステロイド内服療法に加えて, パルス療法を行ったが効果を認めなかったため, シクロスポリン 325mg/日の追加投与で水疱の新生は若干抑制された。入院中の内臓悪性腫瘍精査により乳癌が発見された。乳癌手術前にシクロスポリンの投与を中止し, 術後ステロイドの減量を行った。乳癌手術1カ月後にステロイドも中止となったが, 水疱の新生は全くみられなかった。約4年経過した現在, 無治療にもかかわらず皮疹の再燃はなく, 自験例では水疱性類天疱瘡の発生機序に悪性腫瘍が関連しているのではないかと考えた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
- 症例 Toxic Epidermal Necrolysis(TEN)型皮疹を呈したDrug-Induced Hypersensitivity Syndrome(DIHS)の1例
- Hydrocortisone17-Butyrate外用剤(Locoid)の使用経験--とくに弗素化ステロイド長期外用例について
- 多彩な皮膚病変を呈した慢性GVHDの1例
- Lupus Erythematosus Profundus に伴って筋の線維化を認めた1例
- 尿素外用剤塗布後の快適性に関する調査