掌せき多汗症に対するボツリヌス菌毒素を用いた治療経験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年,多汗症の治療にボツリヌス菌毒素製剤が使用され,他の保存的治療や外科的治療に代わる簡便で,安全かつ有効な治療であることが報告されてきている。ボツリヌス菌毒素製剤の表情皺への投与に比べると,多汗症での注入法·注入量の基準は未だ確立されているとは言い難い。今回我々は4例の掌蹠多汗症患者に対してDysport<SUP>®</SUP>を用いて,その注入法や注入量を検討した。先ず掌蹠多汗症患者に対してDysport<SUP>®</SUP>を1単位/0.2 mlの濃度で1.5~2cm間隔で注入を行ったが,腋窩多汗症患者に対する効果と比較すると安定した効果が得られなかった。そこで薬剤濃度を変えて試験紙による発汗抑制範囲を比較し,その結果をもとに1単位/0.1mlの濃度で1cm間隔での注入に変更したところ,臨床効果の改善が得られるようになった。しかし,中には同様の治療法にても効果の乏しい症例もあるため,今後さらなる注入法や注入量に関しての検討が必要と思われた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
- 症例 Toxic Epidermal Necrolysis(TEN)型皮疹を呈したDrug-Induced Hypersensitivity Syndrome(DIHS)の1例
- Hydrocortisone17-Butyrate外用剤(Locoid)の使用経験--とくに弗素化ステロイド長期外用例について
- 多彩な皮膚病変を呈した慢性GVHDの1例
- Lupus Erythematosus Profundus に伴って筋の線維化を認めた1例
- 尿素外用剤塗布後の快適性に関する調査