十二指腸第2部の多発性潰ようを伴ったSchoenlein‐Henoch紫斑病の2例
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概要
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症例1, 42歳, 男性。症例2, 26歳, 男性。両症例とも上腹部痛を伴って両下腿に紅色丘疹と紫斑が多発した。両者とも, 血液検査では凝固系機能に異常なく炎症所見のみ上昇し, 紫斑部生検ではleukocytoclastic vasculitisを認めた。また上部消化管内視鏡検査では十二指腸第2部に多発性潰瘍を認めたため, 消化器症状を伴うSchönlein-Henoch紫斑病と診断した。症例1はプレドニン80mg/日の投与, 症例2はソルメドロール1g/日のパルス療法により腹部症状及び皮疹は著明に軽快し, 内視鏡所見も改善した。腹部症状の重篤な症例では早期に内視鏡検査を施行し, 副腎皮質ステロイドの大量投与療法を実施することが望ましいと考えた。本邦過去15年間の十二指腸病変を合併した報告例を検討したところ, 十二指腸第2部の病変が報告の約80%を占め, 本疾患に特徴的な病変であると思われた。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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