グルコン酸カルシウムの血管外漏出による皮膚石灰沈着症の1例
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概要
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症例は3歳,女児。低カルシウム血症に対し,グルコン酸カルシウム製剤の静脈注射を右前腕より施行されていた。点滴施行部位に発赤を生じたためルートを抜去し経過観察していたところ,20日後より同部に表面淡紅色から黄白色調を呈する皮下結節が出現。X線写真では石灰沈着と思われる皮下結節に一致した無構造,不整形な陰影を認めた。皮膚生検標本ではHE染色で好塩基性に染まる,von Kossa染色で褐色に染まる無構造な顆粒状物質を認め,グルコン酸カルシウム製剤の点滴漏れによる皮膚石灰沈着症と診断した。経皮性排除により6ヵ月後には皮下結節は消失し,色素沈着のみとなった。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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