精神症状の増悪により,精神分裂病の症状を呈したCNSループスの1例
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概要
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46歳の女性。19歳時に近医にて全身性エリテマトーデス(SLE)と診断された。25歳頃より欝症状,被害妄想などの症状が出現し,自殺企図の既往があった。2年前に当科を受診,外来にてアスピリンの内服療法を行い,経過観察していた。1998年12月,意識障害,SLEの増悪を認めたため入院となった。脳波所見で,遅いα波やθ波が高頻度に出現,髄液所見で圧と細胞数の増加,頭部MRIでは大脳白質の多発性微小梗塞像などを認めたことからCNSループスと考えた。上腕にはatrophie blancheを伴う樹枝状の褐色斑が認められ,病理組織所見は血管炎の像であった。ステロイドパルス療法ならびにシクロホスファミドの大量間歇静注療法により意識障害は軽快したが,CNSループス発症前よりも精神分裂病の症状が強く出現した。精神分裂病の素因に加えて,CNSループスを発症したことが精神症状を増悪させたものと考えた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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