右肩甲下部に生じた弾性線維腫の1例
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概要
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66歳の女性。福岡県前原市出身。右肩甲下方に,直径5cmの半球状に隆起したゴム様硬の無痛性皮下腫瘤があり,触診にて下床との可動性を認めなかった。やや前屈し右上肢を内旋すると右肩甲下部に皮下腫瘤が出現するが,他の姿勢では触知できなくなり肉眼的にも確認できなくなった。臨床的に脂肪腫と診断し,局所麻酔下で全摘を試みたが皮下に腫瘤は認めず広背筋下に腫瘤を触知した。術前に撮影した胸部単純CT像を術中再度検討したところ,肩甲骨下に広背筋,前鋸筋を圧排する様に限局した腫瘤陰影を認めた。腫瘤全摘後,病理組織学的所見より弾性線維腫と診断した。肩甲骨付近の背部皮下腫瘤の診断に際し,弾性線維腫も鑑別診断の一つとして常に考慮すべきであると考えた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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