群馬大学皮膚科乾せん外来におけるタカルシトール軟膏を用いた治療法の工夫
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概要
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群馬大学皮膚科乾癬外来過去6年間における尋常性乾癬患者のタカルシトール軟膏を用いた治療法の工夫について報告した。本剤は安全性が高い乾癬治療薬であるが,その効果は症例により様々である。我々が2年前に行った検討ではステロイド外用療法から短期間でタカルシトール軟膏外用療法に移行した場合は,明らかに有効性が劣っていた。こうした経験を踏まえ,それ以降の症例にっいて本剤の併用療法や外用療法の工夫を行った。その結果,ステロイド外用療法からタカルシトール軟膏単独外用療法へ移行する場合,患者の同意を得た上で本剤の塗布の長期継続や,他治療との併用により移行が可能となる場合があること,シクロスポリンやレチノイドの内服併用群では,内服単独療法に比較し皮疹軽快までの期間の短縮や,内服量が減量できる可能性があること,光線併用群では単独療法に比較し照射量が減量できる可能性があること,タカルシトール軟膏の亜鉛華単軟膏重層療法はある程度の効果が期待できることなどが明らかとなった。活性型ビタミンD<SUB>3</SUB>製剤であるタカルシトール軟膏は副作用が少ないことから,乾癬治療に積極的に用いることが望ましいと思われるが,他治療との併用や重層療法など,治療法を工夫することで,より効果的に使用することが出来る可能性が示唆された。
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日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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