Annular Elastolytic Giant Cell Granuloma ステロイド剤の全身投与が奏功した1例および本邦報告61例の検討:—ステロイド剤の全身投与が奏功した1例および本邦報告61例の検討—
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概要
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症例は71歳,男性,元建設業。十数年前より体幹,両上肢に自覚症状を伴わない環状の暗赤色皮疹が多発。数施設にて診療を受けるも軽快せず当科紹介。初診時,体幹,両上肢に径6cm程度まで,幅約3mmの堤防状に隆起した環状の浸潤性紅斑を約30個認めた。糖代謝異常は認めなかった。皮膚生検では真皮上層に多核巨細胞,類上皮細胞,組織球の出現を伴う肉芽腫の形成を認め,膠原線維の変性像はなく,弾性線維が消失ないし減少し巨細胞内への貪食像を認めた。ミノサイクリンとニコチン酸アミドの併用,dapsoneは無効,プレドニゾロン全身投与により軽快。軽快時の生検では,真皮上層に軽度の血管周囲性リンパ球浸潤および弾性線維の減少を認めた。併せて1970年から1998年の間の本邦報告61例について検討したところ,男女比は2:1で男性に,年齢は40歳代以上の高齢者に多く,39例で非露出部に皮疹を認めていた。また糖尿病ないし耐糖能異常,悪性腫瘍,自己免疫性疾患の合併が報告されており,本症はこれらの疾患のデルマドロームとなる可能性があると考えた。
- 日本皮膚科学会西部支部の論文
日本皮膚科学会西部支部 | 論文
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